水の流れ


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雨の水は川に合流し,海へ流れるとともに,蒸発して雲となり,また雨となって・・・こうして水は水蒸気,水,氷と姿を変えながら,地球上を絶え間なく循環しています。この水こそが地球に生命が宿る源であり,地球が「水の惑星」と呼ばれる所以なのです。

水の流れは時には激しく,そして時には長い年月をかけて地形の姿を変えていきます。ここでは,水の流れをテーマにASTER画像を見てみることにしましょう。

密度流:混ざり合わない河川,アマゾン川とリオネグロ川(ブラジル)

 ブラジル北部マナウス付近に位置する
アマゾン川とネグロ川の合流点です。澄んだネグロ川と濁ったアマゾン川の2つの大河は,合流後もすぐには混じりあわず,同じ河を平行して100km以上も流れつづけるのです。
 アマゾン川はその流量が世界最大で,世界中の河川から海へ流れ込む淡水の流量の約15%を占めています。また流域面積は
ブラジル国土の半分余りを占める広大なものです。
 ネグロ川の黒い色とアマゾン川の青い色はそれが運ぶ大量の
堆積物の量の違いによります。アマゾン川はエクアドル,ペルー,ボリビアそして広大なブラジル西部の流域から供給される土砂を大西洋へと運びつづけているのです。
デルタの巨大迷路,カッチデルタ(インド)

 インド西部の
カッチ湾のデルタです。北はカッチ大湿地,西はカッチ小湿地,南はカシワ−ル半島に囲まれた地域です。
 カッチの湿地は,リトルランとグレートランに分けられ,リトルランには迷路のような水路があります。また2つのランは部分的に水はけの悪い泥地となっており,乾いた塩で覆われた古い泥の平地が分布しています。
 
地表面の塩はどこから来たのでしょうか?それは,雨季に南西から強く吹き付けるモンスーンの影響により海水が湾内に押し寄せられて地表を覆い,それが乾季に乾燥して形成されたものなのです。

カギ状の砂嘴(さし),野付半島(北海道)

 北海道の東部根室海峡に面した,独特の形状を持った砂嘴(さす),
野付半島です。周囲の海岸付近の砂礫や河川から運搬された砂礫が,沿岸流により運ばれて作られた地形です。野付半島では先端部がいくつにも分岐し,内陸部に曲がったカギ状砂嘴を形成しています。
 半島の内陸側は尾台沼と呼ばれ,また先端部には以前の森林が枯れて埋もれた観光名所トドワラがあります。