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世界的に巨大なカルデラ,阿蘇カルデラ(九州)
九州中部にある南北25km東西18kmの広がりをもつ世界的規模のカルデラ,阿蘇カルデラです。画像はそのうちの南西部約1/4の範囲を写しています。
阿蘇山は約30万年前から8万年前までの間に4回の大きな火砕流を噴出し,それが流下して平坦な裾野斜面
を形成しました。この大量の噴出物の放出により,火山体が陥没し,この巨大なカルデラが形成されたと考えられています。
カルデラ底には水田が広がり,約10万人が居住する集落が分布しています。画像右上には2つの沼をもつ草千里と,その右に青黒い噴出物に覆われる阿蘇山火口が見えます。
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ポンペイを一瞬のうちに埋没させた火山噴火,ベスビオ火山(イタリア)
イタリア,ナポリの東に位置する第四紀の複合成層火山であるベズビオ火山の画像です。基盤はジュラ〜白亜紀の石灰岩,第三紀の堆積岩類などから構成されています。火山のマグマ溜まりは,さらにその下位
の三畳紀の石灰岩層中にあると考えられています。
更新世後期に活動が始まり,粗面岩質の溶岩・火砕物質からなる火山体の上に,対称的な円錐状の成層火山Sommaが生じました。紀元後79年に大規模な噴火が始まり,多量の軽石や火山灰の火砕流が,南東部の山ろくを埋め尽くし,ポンペイ(Pompeii)とエルコラーノ(Herculaneum)の町を埋没しました。その後1631年まで活動を停止したが,1632年以後今日まで規則的な噴火を繰り返している。
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火山噴火による大規模山体崩壊,セント・へレンズ火山(米国)
米国北西部ワシントン州にあるセント・へレンズ成層火山です。北米ハイカスケード火山帯に属しています。
1980年に123年ぶりの噴火が起こり,マグマの貫入に伴う山体崩壊により,カルデラは北に開いた馬蹄形(直径約2km)に変形しました。この際に流れ出した岩屑なだれや火山泥流の傷跡は青灰色を呈し,今でも明瞭に認められます。
噴火以前は美しい対称的な成層火山でしたが,噴火によってその標高は約400mも低くなり,北にあるスピリット湖は火山泥流の堆積で形状が大きく変わりました。
噴煙は成層圏にまで達し,降灰は北米全土に及び,この年の異常気象の一因となりました。 |