宇宙からの地球観測は,環境調査,資源探査,気象,防災,農業などを始めとする様々な分野で重要な役割を果たしています。

本教材を使った3回の授業では,地球観測センサがどのように地球を見ているのかを理解し,さらに植生調査を例として衛星画像の使い方について学びます。

目次


第1回:色の識別

空は青,りんごは赤,植物の葉は緑・・・,私たちの周りにはたくさんの“色”があります。この“色”は光の波長と対応しています。下の図を見てください。私たちには,光の波長が短いと紫や青として見え,中くらいだと緑や黄色として見え,長いとオレンジや赤として見えるのです。

←紫外
赤外→
短い
長い

実は光には青よりももっと波長の短い光もありますし,赤よりももっと波長の長い光もあります。これらは紫外線,赤外線と呼ばれ,私たちの目には見えない光ですが,これらも立派な光です。

多くの衛星センサは,地球からやって来る光を,幾つかの異なる波長(つまり異なる“色”)に分けて観測します。またセンサの中には,私たちが見える紫から赤までの光ばかりではなく,紫外線や赤外線までも観測できるものが多数あります。

「第1回:色の識別」では,地球観測センサと同じように,物体を異なる色に分けて観測するとどのように見えるのかを実験で確かめてみましょう。

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第2回:宇宙から見たわたしたちの町

「第2回:宇宙から見たわたしたちの町」では,いよいよコンピュータを使って衛星画像を見てみます。

今回使うデータは,日本が作った世界に誇る最新の地球観測センサASTER(アスター)が撮影したわたしたちの町の画像です。ASTERは,1999年12月に打ち上げられたNASAの地球観測衛星Terra(テラ)に搭載されているセンサで,高度700kmの宇宙から毎日膨大な数の画像を撮影して地上に送っています。

地球観測衛星Terra
ASTER(組み立て工場にて)

ASTERは14もの異なる波長で地球からの光を観測しています。

今回使うデータは,私たちが緑と感じる波長の光(バンド1),私たちが赤と感じる波長の光(バンド2),赤よりも波長が長くて私たちには見えない近赤外線の光(バンド3),の3つの波長の光を組み合わせた画像です。

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第3回:衛星画像を使った植生調査

近年,二酸化炭素等の排出による地球温暖化が大きな問題になっています。

植生は光合成によって二酸化炭素を吸収し,酸素を排出するので,地球全体における植生の分布を精度よく知ることはとても重要な課題となっています。

こうした中,地球観測センサは地球全体の植生分布をムラなく測定できる唯一の計測技術として注目されています。

「第3回:衛星画像を使った植生調査」では,ASTER画像を使って植生の分布を調べる方法を学びます。

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本教材は,(財)資源環境観測解析センターの委託を受けて
(社)日本リモートセンシング学会が作成したものです。