砂と風が作った造形
過酷な環境にあり,ほとんど人が訪れることのない場所に,自然が作り上げた彫刻が存在する。
上図はアラビア半島南東部のルブアルハリ沙漠の三日月型砂丘,下図は北アフリカ,アルジェリア東部に広がる東部大砂丘(グランエルグオエンタル)の星型砂丘である。
これらはASTERのオルソデータから作成した鳥瞰画像で高さ方向を約1.5倍に誇張している。
三日月型砂丘はバルハン(barchan)砂丘とも呼ばれ,砂丘上を一定方向に吹く風により形成される。
この画像では右から左に向かって(三日月型の凹部に向かって)吹いている。
青色の箇所は高塩分の低地でサブカと呼ばれる。 ひとつの三日月の大きさは2kmから5kmにも及ぶ。
星型砂丘は放射状に対象な形状を示す砂丘である。
様々な方向から吹く風により,砂の移動は横方向よりも鉛直方向に卓越し,このような放射状の形の砂丘が形成される。
星型砂丘の直径は2〜3kmに及ぶ。
この地では,このような砂丘がASTERの数シーン以上も連続する。
鑑賞する人のほとんどいない数百kmにも及ぶ芸術作品である。
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