ボルネオ島(カリマンタン)北部のPALSAR正射投影モザイク画像
赤道直下、太平洋の西縁に位置するボルネオ島(カリマンタン)北部のPALSAR画像。
20パスにわたるPALSARデータ122シーンを用いて、正射投影変換を施しモザイクしたものである。
ボルネオ島北部にはマレーシア連邦のサバ・サラワク州と、この2州に挟まれたブルネイ王国がある(画像のほぼ中央)。
拡大画像に示すブルネイ付近では明瞭な向斜構造(ピンク色の線で示す)が認められ、この構造がほぼ国境線に相当する。
領土が向斜により出来た自然の要害に守られていたことが良く分かる。
北部画像の中央に認められる北北東〜南南西に伸び、南部では東西に屈曲するように見られる細かい縞模様は、白亜紀から第三紀中ごろに起こった南シナ海の拡大に伴い形成された付加帯で、深海成砂岩泥岩よりなり、海に向かい年代が若くなる傾向がある。
内陸にも背斜様の構造が見られるが、陸上(近傍)の既存油田は海岸沿いのブルネイ・セリア油田とサラワク・ミリ油田のみである。
しかし、南シナ海に延びる大陸棚では沢山の油・ガス田が発見・開発されており、今後探鉱活動が活発になることが予想される。
また、ミリ油田の南西に位置するビンツル(Bintulu)には大陸棚から採掘された天然ガスを集めた世界最大級のLNGプラントがあり、日本を中心に輸出している。
ボルネオ島北端のサバには花崗岩のキナバル山(4,094m)があり、動植物の宝庫として知られている。
|