9.衛星データから水温を計算してみよう!

 では,今度は実際に自分の手で衛星水温を計算してみましょう。前のページで説明したように,図10の式を使えば,衛星データのデジタル値から水温を計算することができます。
 式が複雑なので,ここでは図10式の分母と分子の値はすでに計算してあります。表2を使って,
異なる4時期の衛星データ(デジタル値)から,まず絶対温度を求めてみてください。そのあとに絶対温度273℃を引けば,念願の衛星から水温を計算することができます。計算できたら,季節によって水温がどれくらい違うか,比べて見てください。


表2 異なる時期の水域(広島湾)の衛星水温計算シート

衛星観測日 デジタル値 分子(A) 分母(B) 絶対温度(K) T=A/B 水温(℃) T-273
4月20日 1407 1.44×10-2 5.00×10-5
5月12日 1430 1.44×10-2 4.99×10-5
8月3日 1629 1.44×10-2 4.85×10-5
9月20日 1546 1.44×10-2 4.90×10-5





T:求めたい温度(絶対温度:単位はK)
C1・C2:定数
λ:衛星が観測している波長
R:衛星が観測した放射輝度


図10 衛星データから温度を求める式



図11 広島湾の水温マップ例