Green
Light Blue
Blue
Violet
Pink
Red
Yellow
Yellow Green
scissors
ちょっとだけ,「赤外線」をひもといてみましょう...
下の図は,アイロンに通電したときの様子です.だんだん温まっていきますね.

赤外線の量は,温度が低い左のアイロンより,温度の高い右のアイロンの方が大きい !!!
熱くなったアイロンの表面に手を近づけると,私たちは温かいと感じます.これは,その近くの空気の温度が上昇しているからだけではありません.実は,アイロン表面から出ている赤外線を皮膚のセンサーが感じるからなのです.
この図のように,アイロンの温度が高くなるほど表面から強い赤外線が出ているのです.
・・・温度の高いアイロンだけが赤外線を出しているのではありませんよ.実は,私たちの身の回りにあるものすべてが,赤外線を放射しているのです.もちろん,私たちの体も同様です.
すべての物体は,赤外線を放射しています.そして,温度が高いほど赤外線は強くなります.
では・・・なぜ「赤外線」とよばれるのでしょうか・・・?



実は,私たちの目で見える光は「可視光線」と呼ばれているもので,赤,だいだい,黄,みどり,青,藍色,紫の7色があります.これらは,「電磁波」とよばれている「波」なのです.

この波は,空気中だけでなく真空中も伝わっていきます...確かに,太陽から放出されて,真空の宇宙を通って,地球に来ていますよね.


「可視光線」は,下の図の黄色いところです・・・はて,この図はなんでしょう・・・?

これは,1つの波の長さ(下の図を見てください.「波長」といいます)が,右に行くほど長い状態を示しています.そう,「赤外線」とか「マイクロ波」は,「可視光線」より波長が長いんですね!

波長があんまり長くても,人間の目には感知できなくて見えないんです...ただ,「赤外線」は人の肌には「あたたかい」とか「あつい」と感じるのですね.不思議ですね...

そして!

赤外線は,温度が高いほど強いという特徴があるから,赤外線をうまくキャッチすると,温度がわかってしまうのです.これが,サーモグラフィの基本原理なのです.

カメラのフィルムやデジカメは,可視光線に反応するように作ってありますが,サーモグラフィで使うカメラは,もうちょっと波長の長い「赤外線」に反応するように作ってあるのです.
つまり,基本的にはデジカメと同じつくりなんですね!


コラム 「液体窒素(えきたいちっそ)」って何?

空気中の80%が窒素だということは知っていますよね!?
これを思いっきり冷やしてあげると,液体に変化します.だいたいマイナス200度ぐらいです.これを,「液体窒素」と呼んでいます.

サーモグラフィは,いろいろなものから出てくる赤外線をキャッチしようとしますが,そのままでは同時にサーモグラフィの内部からも赤外線が出ているので,両方を引き算すると,サーモグラフィには赤外線の出入りがない状態になっています...

そこで,サーモグラフィの中には液体窒素を入れて,測定中は思いっきり冷やしているんです !!! (めんどくさい...)

・・・そうすると,サーモグラフィは温度が低くなるので,サーモグラフィから出てくる赤外線は弱くなります.すると,外から入ってくる赤外線の方が強くなるので,赤外線の強さをはかることができるようになるのです.

このように,サーモグラフィは常に液体窒素で冷やしながら使うのです.面倒...
もっとも,最近では液体窒素を使わずに,搭載された小型の冷却システムで冷やす方法なども開発されてきていますので,温度測定もだんだん手軽になりつつあります.