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宇宙利用拡大推進事業

[レビュー]インターンシップ #04

 

衛星データを活用した海洋管理と国際プロジェクト

Innovative AsiaというJICAの奨学金制度を用いてアジア各国から優秀な学生が日本で学んでいます。機構ではこれまで、80名以上の留学生を短期インターンシップ制として受け入れてきました。その中で、特に優秀な学生については、大学院修了時にインターンシップ生として3か月程度受け入れ、衛星データやGISデータを用いて彼らの専門性の向上と国際協力を行っています。

Waraさんはインドネシアから東京工業大学に留学した学生で、海域におけるシミュレーションを行っていました。
名前: Dominika Christiana Wara
出身: インドネシア
期間: 2021年4月 – 2021年6月

Waraさんは、東工大でSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の研究課題のひとつである「コーラル・トライアングルにおけるブルーカーボン生態系とその多面的サービスの包括的評価と保全戦略」に携わっていました。機構もこの研究課題に参画しています。インターンシップでは、東工大との連携を図り衛星データによるブルーカーボンのマッピングを進めることを課題のひとつにすえました。

さらに、2021年3月よりインドネシア国違法、無報告、無規制(IUU)漁業活動監視能力基盤強化のための衛星活用プロジェクト(JICA技術協力プロジェクト)がはじまりました。このプロジェクトでは、ALOS-2データなど衛星データを活用して広大な海域からIUU漁船の出現率が高い地域を絞り込み、IUU漁業取り締まりの最適化を目指すプロジェクトです。さらにこのプロジェクトでは、海洋分野に資する衛星データおよび海洋データのオープンプラットフォームの開発をとおして、プロジェクト横断型(将来的には日インドネシア産学官横断型)のデータ相互利用システムの開発を目指します。Waraさんには、このプロジェクトに携わってもらうことで、日本とインドネシア間での国際協力事業についても学んでもらいました。

インターンシップ中はほとんどが緊急事態宣言下だったため、オンラインでのインターンシップ活動がメインとなりました。オンラインインターンシップでは、衛星データ解析の基礎を学び、衛星データがどのように海洋分野に活用できるか、インドネシアにおけるニーズ調査を行いました。その上でインドネシアのエビ養殖池のモニタリングを中心に行いました。エビ養殖はインドネシアにおける水産業の中で主要な産業となっており、日本にも多く輸出されています。稼働中/非稼働中のエビ養殖池を管理するとこで、沿岸域の保全などに役立てることができます。

このほか、緊急事態宣言前の4月22日には、Sentinel-2、みちびき、UAVおよびFEIDLSPECによる沿岸域におけるプラスチックモニタリングを城ヶ島で行いました。(詳しくは城ヶ島でのSentinel-2、みちびき、UAVによる同期観測)

季節変化におけるエビ養殖池の稼働状況