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2007/02/19 up

ジャカルタ2007年1月・2月の大洪水を捉える


 2007年1月末、インドネシア共和国ジャカルタ地方を豪雨が襲い、各所に洪水を発生させた。この豪雨は2月に入っても断続的に続き、広範な地域に洪水をもたらし、遂には首都の中心部が湛水する大災害に発展した。

 ここに掲載した画像は、ALOS(だいち) 搭載のPALSARの画像をカラー合成画したものである。合成に当たり、それぞれの観測日データに次の色を与えた。
2006年6月20日(乾季・洪水なし)= 赤
2007年1月31日(豪雨・洪水発生)= 緑
2007年2月05日(豪雨・洪水発生)= 青

 画像中央部にジャカルタ市街、西部にスカルノ・ハッタ国際空港が位置し、東部にCiTarum川周辺の低地帯が広がる。低地帯に広く分布する赤色は、1月末の豪雨で湛水し2月5日でも継続して湛水している地域を示している。河川沿いにつながる白色の部分は自然堤防であり、湛水から逃れている。自然堤防の周辺で橙から黄色を示す地域は、1月31日から2月5日にかけて水位が上昇し、新たに湛水した地域である。この5日間で自然堤防の手前まで湛水面が到達したことが伺える。
 ジャカルタ市街およびその周辺では、住宅や高層ビル・森林など強い後方散乱を発生するものが密集するため、湛水してもSAR画像に大きな変化は現れない。本画像においてもジャカルタ周辺に淡い黄緑色と紫色とが分布しているが、色調は明瞭ではない。今後は、PALSAR情報と都市の特性などを研究することにより、より正確な広域災害情報を提供できるものと考えている。