3.地形図からの土地分類図の作り方
 土地調査の歴史がわかったところで,次にどのようにして土地分類図を作るか,その方法を紹介しましょう。一般に地籍図のような厳密な地図を作るには,実際に土地の測量や現場調査をしなければなりませんが,今回は衛星画像を使った土地分類図を作成する方法を知ることが目的ですので,まず地形図を使った土地分類図の作り方を学習しましょう。
 ここでいう地形図とは,国土地理院が発行している「
25000分の1地形図」のことを指しています。この地形図には,田畑や森林等,土地利用の情報が書いてありますので,これを利用すれば土地分類図ができそうだということは想像できるでしょう。図5は実際に既存の地形図を使って,広島市の土地分類図を作成した例です。既存の地形図(1)の土地記号をもとに,土地利用の色分けをした図が(2)です。これでは下の地形図が見えて分かりにくいので,(3)のように土地利用別の輪郭の部分だけ線を引いて,再度土地利用ごとに色を塗ります。最近では(3)のような線画をコンピュータに取り込んで,(4)のようにコンピュータ上で色を塗り,デジタル管理されるようになってきました。
 (1)
 (2)
 (3)
 (4)
図5 地形図をもとに作成した土地分類図.(1)地形図,(2)色鉛筆による土地被覆ごとの色塗り,
(3)土地被覆の境界線抽出,(4)土地被覆ごとの色塗り(土地分類図の完成)