6.分光反射率データを使った地上物体の分光特性
 衛星データから地上物体を識別するためには,まず地上物体の分光特性を知らなくてはなりません。地上物体の分光反射率測定を知るためには,分光放射計という機械を使って図9のようにして,物体(グランドや水)の反射強度を波長毎に測定します。
 表1は実際に分光放射計を使って,生きた葉・枯葉・水の反射率をそれぞれ計測した結果です。ここで
反射率とは,物体の反射強度(A)を太陽の反射強度(B)で割った値の百分率([A/B]×100)のことを言います。太陽の光はそれ自身,特徴的な分光特性を持っていますから,地上物体の純粋な反射強度は反射率として表すことが多いのです。つまり図9のように単に物体の反射強度を図っただけでは太陽の反射強度も含まれるので,物体からの反射強度を太陽からの反射強度で割ることにより,太陽の反射強度の影響を取り除く作業をするというわけです。
 では,表1のデータを使って,
生きた葉・枯葉・水の分光特性をグラフに書いて見ましょう。グラフは図10に表すように,横軸に波長,縦軸に反射率をとります。書き方がわかったら,まず図10を印刷して(プリンタのイラストをクリックした画面を印刷して下さい),印刷したグラフに,三種類の物体の反射率の分光特性を折れ線グラフで表しましょう。そして,これらの物体の反射率の分光特性について,話し合いましょう。





図9 地上物体の反射率測定風景

表1 地上物体の反射率測定結果

波長(nm) 生葉
反射率(%)
枯葉
反射率(%)
水の
反射率(%)
400 8 8 4
450 3 4 2
500 3 4 1
550 11 6 1
600 7 11 1
650 4 17 1
700 13 21 1
750 36 25 1
800 40 33 2
850 42 40 3
900 42 43 5




図10 地上物体の反射特性
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