4.衛星から海の色を計るしくみ
さあ,いよいよ衛星から海の色を計るしくみを知るときがやってきました。図5と図6は実際に人工衛星が海の色を計った結果と測定イメージを表しています。 一般に陸からはるか遠い海の色は,植物プランクトンの量だけに依存すると言われています。これは植物プランクトンに含まれるクロロフィルと呼ばれる青色の光をよく吸収する色素が含まれているからで,植物プランクトンが多くなると,それにつれて海水の色も変ってくるのです。 図7は実際に海水から散乱される波長別の光の強さを示しています。縦軸が衛星観測する海からの光の強さです。この図から通常の海の色は青いのに,植物プランクトンが増加すると海の色は青から緑,緑から赤へとシフトすることがわかります。さきほど見た赤潮も,実は植物プランクトンが大量に増えたため,海が赤色に染まって見えたのです。 |
図5 人工衛星センサが捉えた海の色 ※色が赤いほど植物プランクトン量が多い http://seawifs.gsfc.nasa.gov/SEAWIFS.html |
図6 衛星が海の色を計るイメージ |
図7 衛星が観測する「波長別光の強さ」と 「植物プランクトン量」との関係 |