5.衛星から河口の色を計るしくみ
前のページでは衛星から海の色を計るしくみを学習しました。陸からはるか遠く離れたところの海の色は植物プランクトンの量で決まり,その量が多いと青色の光が吸収されて,海の色は緑や赤になることがわかります。 では,今度は陸に近い,河口はどうでしょう?写真8を見てわかるように河口部では,水の色は黄土色をしています。これは,河川からの土砂が海に流出したからであり,このような土砂の量に伴う反射の大きさを,さっきと同じように「波長」と「衛星が観測する値」のグラフに示すと,図9のようになります。これより,土砂が多ければ,500nm以上では波長によらず,衛星が観測する値が大きくなることがわかります。 このような性質を利用して,衛星から図10のような土砂による濁りの度合いを地図化しています。 |
図8 石狩川河口(北海道)の土砂流出状況 (出典:http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/ hakubutushi/ha_036.htm) |
図9 河口における波長と衛星観測値(反射率%)の関係 Han(1997)の論文を元に作図l |
図10 衛星センサASTERが観測した河口の濁り度合い 青い色は濁りが小さく,赤色になるほど濁りが大きい ASTER Sample CD vol1.1(ERSDAC)より作図 |