ハイパープロジェクトの実施責任者の加藤雅胤です。
このホームページは、経済産業省からの委託事業であります「次世代地球観測衛星利用基盤技術の研究開発(ハイパースペクトルセンサ・データの高度利用に係る研究開発)」における財団法人宇宙システム開発利用推進機構の取り組みをご紹介するものです。
現在,地球温暖化による気候変動が原因と考えられる様々な自然災害や生物多様性の消失など,かつてない程に環境問題に対する関心が高まっています。また,干ばつや洪水の頻発による国際的な作物生産の不安定化や途上国の発展にともなう食料需要の増大によって,我が国の作物の安定確保が難しくなっています。さらには,経済基盤であるエネルギーや資源に関しても,産出国の一国集中などによって安定確保が難しくなっています。
このような様々な問題に対処するため,経済産業省ではこれまでに,広域を中空間分解能で観測できる衛星搭載型マルチスペクトルセンサ(ASTER)や,天候に依存せず夜間でも観測できるL-Bandマイクロ波を使った合成開口レーダ(PALSAR)を開発,運用してきました。これらの衛星搭載型センサに加えて,経済産業省では地表対象物の物性等をより詳細に把握することが可能な高性能・高機能化されたハイパー・マルチスペクトルセンサ(HISUI)の開発を行っています。
ハイパースペクトルセンサに関しては,これまでに打上げられた衛星が研究目的であるため,データ利用者が研究者などの専門家に限られていました。したがって,ハイパースペクトルデータの利用促進には,データ解析手法開発や解析支援ツールの開発,更には基礎データとして,多種のスペクトルデータ等の整備が必要とされています。
このような背景のもと,経済産業省は,地球観測データ利用産業の振興・拡大に資するため,次世代地球観測衛星に搭載される高性能ハイパー・マルチスペクトルセンサデータの利用基盤技術の研究プロジェクトを平成18年度より開始し,様々な利用者に取って利便性の高いシステム構築を目指しています。