4.活断層の見つけ方
 活断層が地震に関係することはわかりましたか? ではもう一度図7の活断層分布を見てみましょう。よく見ると,活断層はたくさんの直線で表されています。実は活断層を見つけるためには,このような直線状の地形構造(リニアメント)を見つけることが重要なのです。直線状の地形は地図を見てもすぐにはわからないので,捜索の手始めとして一般に空中写真や衛星画像がよく使われます
 図8は,四国地方を写した衛星画像です。四国地方北部を東西に貫く,有名な中央構造線がきれいな直線として現れています。
直線構造があるからといって,すぐには地震があるとは限りませんが,このような画像を参考に,地質学者は活断層がありそうな場所を絞り込むのです。
 では,なぜ活断層があるとリニアメントが現れるのでしょうか? それは活断層は現在でも活発に動いている地層で,このような活動の結果,断層沿いに直線的な地形の不連続境界や直線谷等が発達することが多いからなのです(参考:池田安隆他『活断層とは何か』東京大学出版会)。
 活断層を見つけるには,このような写真や画像による地形判読の他に,野外における地形・地質調査やボーリングコアによる地質調査,物理探査等,様々な方法が行われています。これらの調査結果から,日本全国の活断層マップなどが作られています。



図7 神戸市周辺の活断層分布
(国土地理院発行日本国勢地図CD-ROMデータより作成)


図8 衛星JERS-1から見た四国地方
四国北部に東西方向に走る線状(リニアメント)構造が見られる。
これは中央構造線と呼ばれる大規模な線状構造である。

(出典:ERSDAC,http://www.ersdac.or.jp/Others/gazoshu/jpn/japan/index.html)